検証新聞記事「エネルギー・原子力政策懇談会」
「エネルギー・原子力政策懇談会」（元「原子力ルネッサンス懇談会」）が
野田首相に提言書を提出した件が
新聞にどう取り上げられたか検証してみました。
あの、新聞記事をキャプチャして載っけてますけど、
新聞記事が伝えている内容そのものについては、3月19日付の本ブログでも伝えています。
今回の新聞記事の掲載はあくまで引用であり、どんな風に報道されたか比較検証することが目的なので
著作権の侵害には当たらないと考えております。
まあ、間違ってたら言って頂戴。無理して載っける義理もないので。
まずは産經新聞（以下全て3/17朝刊）。
コピーが汚くてスミマセン。
蛍光ペンで囲んだところが、その記事です
５大紙のなかでは一番扱いが大きいですね。
ま、「エネルギー・原子力政策懇談会」のメンバーの中に
フジサンケイグループの日枝久フジテレビ会長がいて
この提言を提出した有志の中にも名を連ねているので。
そういう意味では、かなり手前味噌な記事だよなあ。
「原発ゼロなら４１日間不足」という、関西電力が今年の夏電力足りないって記事と
合わせ技でレイアウトするところが芸が細かい。
「だから原発が必要でしょ」と。
ま、新聞社としてのスタンスが明確に伝わってきて、ある意味いさぎよい。
次、読売新聞。
意外に小さい。
見出しの「原発の安全基準強化」を含め、他紙に比べ「安全」を強調していると思う。
提言を読むと、「原発の早期再稼働、継続」があくまで前提となっているので、
実際以上に、内容をニュートラル寄りに原発推進色を薄めて伝えようとしているように見える。
ここんちも、読売新聞グループ本社老川祥一最高顧問様が、
「エネルギー・原子力政策懇談会」のメンバーであり有志の一員です。
身内が関わったことを大きく取り上げるのは、憚られるということなのでしょうか？
それとも、ニュースバリューは無いと思っているけど、上が参加してるから
ベタ記事でも載せざるをえなかったって感じなのでしょうか？
そして、日本経済新聞。
まず、見出しの「エネ臨調」に、んっ？
本文にも「民間エネルギー臨調」とある。何それ？
今回の提言を見ると
「エネルギー・原子力政策懇談会」（民間エネルギー臨調）
とある。
おいおい、今まで、そんな名前どこにも書いてないぞ。
「原子力ルネッサンス懇談会」
→「エネルギー・原子力政策懇談会」
→「民間エネルギー臨調」
出世魚か！
自称だから困るよな。
だいたい「臨調」って何だよ（笑）？
そもそも「臨時行政調査会」の略だぞ。
何の根拠付けも、オーソライズもされてないのに、勝手につけてるだろ？
いかにも権威ありげに。
僕もつけようかなあ。
臨調ひとり、チャンネルJ臨調、民間エネルギー臨調臨調…ハハハ
話を元に戻します。
日経も同グループのテレビ東京の島田昌幸社長が、またもやメンバーであり有志の一員。
ま、日経は経済界、経団連の寄りの紙面ですからね。
けど、もはや経団連＝日本経済ではないでしょう。
見出しにもあるけど、普通に提言を読めば「原発再稼働」が一番言いたいことだと思うよね。
「放射性廃棄物の処分」について言及してしているのは、ここだけでした。
細かく見ると違いがあって面白い。
で、朝日新聞。
一番短い。
チャンネルJ佐田正樹代表は朝日新聞出身なんだけど、
現在どの程度影響力を持っているのかは全然わかりません。
出身母体ということから連想するほど、関係は濃くないと思いますがね。
毎日新聞、東京新聞は掲載無し。
以上、
原発推進度が高い新聞ほど記事を載せて、脱原発度の高い新聞は載せてないという
分かりやすい結果となりました。
ちなみに、僕は今年から日経から東京新聞に変えました。
全然違うんだよね（笑）
ある意味怖いくらい。
ま、原発推進にせよ、脱原発にせよ、バイアスに絡めとられないように。
【追加】
「エネルギー・原子力政策懇談会」は「地球を考える会」の分科会という名目で始まったもので
もちろん、その「地球を考える会」もネットジャーナリスト協会（チャンネルJ）がやっております。
そこでも、「原発推進」の提言を当時の福田首相に行っております。
芸風は全く変わっておりませんが、今と比べると新聞の扱いは大きいです。
「提言」ってやらしいね。
自分らの肩書き、見解が影響力があると見越してやってるアピール、パフォーマンス。
本当に提言するなら「首相を拉致して５時間の直談判におよびました」くらいやってくれよ。
本当に使命感があるなら「放射性廃棄物の最終処分場を作らせてください」って
日本全国行脚して説いて回わればいいじゃん。
そっちのほうが、よっぽどホンモノの原発推進だと思うけどな。
