チャンネルJのJはJapanのJ?JournalistのJ?

旧タイトル「労働組合ひとり」。チャンネルJという朝日新聞OBが作った原発ムラの末端の末端くらいの会社で、ひとりで労働組合に入って活動してたら解雇されました。もともと労働組合を通して会社と戦う話のつもりだったのですが、紆余曲折ありまして。。。あくまで原発問題は脇筋です。ただ、天下国家を偉そうに語る連中の姑息なインチキがムカつくので、今も盾突いてます。

痛恨の和解成立

14時〜 都庁第一本庁舎34階 東京都労働委員会。

1時間前に集まり、ユニオン氏の和解案を見る。

1 会社は組合員hitori001の解雇(平成22年12月16日付)を撤回する。


2 会社と組合員hitori001の雇用契約を平成23年5月19日付で解消する。
  尚、hitori001の離職理由は退職勧奨(会社都合)とする。
  ※雇用契約解消日は労働委員会での和解成立日とする。


3 会社は別紙謝罪文を手渡す
  ※謝罪文は社員たちにも配布するか、同文を朝礼で公表する


4 会社は本件の解決金として金○○○○円を2011年○月○日限りとして
  指定口座へ振り込むものとする。

  ※解決金総額????,000円(月額???,000円×10ヶ月分)
  【内訳】・会社と組合員hitori001の雇用契約解消日(平成23年
      5月19日)までの賃金(解雇直前の給与×6ヶ月)を
      解決金として支払う

      ・会社は、組合員hitori001の未消化代休100日と
      有給休暇残39日の賃金に相当する金額4ヶ月分相当額を
      解決金として支払う


                謝 罪 文

 株式会社チャンネルJは、この度、東京都労働委員会において、貴組合員hitori001殿に対して解雇したことが、合理的な理由がなく、貴組合員hitori001殿を貶め、解雇を正当化しようとしたことに、当社は、ここにその責任を認め、貴組合と組合員だーつー殿に多大な迷惑を掛け、貴組合員hitori001殿の名誉を傷つけたことを、深く反省し謝罪をするとともに、今後は、二度とこのような過ちを行わないことを誓約いたします。
 また、弊社の社員たちににも、本件事案では多大な迷惑をかけたことにもお詫びするとともに、良識とモラルのある会社になることと、弊社の置かれた厳しい現状を認識し、社員たちと一丸となって乗りきって行くことを併せて誓約いたします。


気になるところは色々あった。
例えば、未消化代休と有休の総日数を、1ヶ月の稼働日(21日程度)ではなく
30日で割っているから、換算する給与の月数が短くなっているとか。
しかし、何と言っても、ユニオン氏と一番揉めたのが3の謝罪の方法。


「みんなの前で解雇を発表されたのだから、みんなの前で謝罪してほしい」
ユニオン氏「そこまで行くかどうかわからない」
 「謝罪文を出させるのが第一歩」
 「会社ができることに追い込んでいかないと」
話が噛み合わず、言い合いとなる。


そこに労働者委員のR氏が加わる。
会社の案とこちらの案には開きがあるらしい。
労働者委員「組合案を会社が持ち帰って検討できるかどうか」


もうすぐ労働委員会が始まる14時だ。時間がない。


「確かに、会社の和解案が20点30点レベルなのに
 こちらの和解案を90点にするか95点にするか議論しても仕方が無いとは思う」


事態を収拾させるつもりで言ったのだが、僕が愚かであった。
相手が20点30点なら、こちらが90点でも
妥協点つまり平均点は55点60点である。
70点が欲しいなら120点くらいを提示しなくてはダメなのだ。
ましてや、僕はユニオン氏の和解案を90点とも95点とも思っていない。。。


結局、ユニオン氏の和解案を労働委員会に出すことになった。



労働委員会が始まった。


労働委員会は

  • 労働者委員(労働組合の推薦による労働者の代表者)
  • 公益委員(学識経験者など公益を代表する者)
  • 使用者委員(使用者団体の推薦による使用者の代表者)

の3人からなる。
組合側と会社側が顔を付き合わせて、直接やり合うなんてことはない。
組合側と会社側が交互に3人のいる部屋に呼ばれ、
提出書類(準備書面や和解案)に対する事情聴取が行われる。


「みんなの前で名誉を毀損されたと思っているので
 それに相応しいことをやってもらいたい」

公益委員「謝罪の意が含まれた文章で、その公表の仕方は
 hitori001さんが受けたのと同じような状況で行われると」

「そうです」


その後はずっと控え室で待ち。
和解は、労働者委員が組合の、使用者委員が会社の要望を聞き
控え室を出たり入ったりしながら
会社と労働組合の代わりに委員同士相談し合い、話をまとめているようなのだ。


それと、今日は佐田代表が来ているらしい。
前回の労働委員会で
「会社代表が来ようともしない不誠実な態度では和解も何も無いでしょ」
と言ったことが効いたようだ。
今日で和解に漕ぎ着けたいという会社側の意気込みの表れのようだった。


労働者委員のR氏が入ってきた。


会社側が謝罪文を出すことを了解したらしい。


あとは解決金の額だけ。
一気に流れが和解へと傾いた…


そして


R氏が入ってきた。


「会社側が解決金????,000円を飲んだ」


こちらの提示との開きは、まだあったけど、
そのくらいはしょうがないという空気。
僕もお金は二の次と言ってたので、ここでゴネる気にはなれない。
謝罪文もセコく言い回しを変えてきているが
一つ一つ突っ込むのもどうかというレベルではある。
こちらが和解案を出して、それを相手が飲んできた。
こちらに和解を拒む大義名分はない。


「和解か…」





それから、1時間以上、僕は黙りこくっていた。



これで終わるのか?
何を間違えたのか?
どう解釈すればいいのか?


最初は
「ここで和解しないと、もうずっと和解はないってことだからね」
厳しい口調だったユニオン氏も
「なかなか会社は謝罪文は書かないよ」
「今まで頑張ってきたから、これだけの結果になったんだよ」
だんだん優しい口調になってきた。
それが逆にツラい。
労働者委員のR氏が何度も様子を見に来る…


結局、このブログもそうだけど、僕は映像制作の仕事をやってきたので
会社とのバトルを何かしら「表現」として残したい、
「表現」で会社と対抗したい、という思いがあったのだ。
実は、そのことはユニオン氏にも、東京ユニオンに入る前に相談したとき伝えていて
意外に否定されなかったので、この組合に入ったのだ。


けど、そうは言っても、具体的にどう『表現』するのか?
組合に入ったら入ったで、東京ユニオン名義でやってることを
自分の『表現』の材料に勝手にしていいのかとか
気になることはいろいろ出てくるわけで
考えてると段々暗い気分になり、怠け癖も加わって
『表現』なんて全然進まない、ブログも滞るという体たらく。
その『表現』が何の形にもならないうちに『和解』が成立してしまうのが
受け入れ難いのだ…


そんなことを、ユニオン氏に話した。
少し気持ちが楽になった。


「純粋に組合活動だけを考えてたわけじゃない自分が悪いんです」
ユニオン「やればいいじゃん。記録として残せばいいじゃん」
「終わったことをやっても面白くない(笑)」


和解を了解して、
部屋を移動して会社側の人間と対面。
「和解協定書」にサイン。
あれ? 佐田代表がいない。
用事があって帰ったらしい。ホントかね? まあ突っ込む気力もない。


「和解協定書」は守秘義務があるから、ここには載せられない。
上記の組合の和解案から想像してもらうしかない。


18時すぎ終了。
都庁界隈をふらふら歩く。
あ〜あ、これでおしまいか。


結局、労働委員会の傍聴に呼べなかったやつ、たくさんいるなあ。
前もって告知しない俺が悪い。まだあると思ってた俺が甘い。


何事も原因はあるんだね。
全ては必然なんだね。